『カオスシード』とは何ぞや?
スーファミ版サターン版関連書籍等

『カオスシード』とは、1996年3月に発売されたスーパー・ファミリー・コンピューター用のゲームソフトで、“ダンジョン育成シミュレーションRPG”という長い肩書きがあります。悲しいことにヒット作とはなりませんでしたが、(多分)今だ根強いファンを持つ、知る人ぞ知る隠れた名作です。発売延期となりつつもリメイクも出たし。サタコレ版も出たし…。
中毒性が有ると噂され、実際嵌ってしまう、一風変わったシステムを特徴としています。
偏ったご紹介は下記。




スーファミ版

『カオスシード 風水回廊記』
販売:タイトー 制作会社:ネバーランドカンパニー 任天堂スーパー・ファミリー・コンピューター用

これが家に来た時思いました。何だこのつまらなそうなへんてこなゲームは、と。
本っっっっっ当に済みませんでした!凄まじく楽しいです面白いです嵌ります。買って来てくれた家の住人有難う。

ご存知無い方に簡単に内容の説明を。

道仙であるプレーヤーは弱った大地を蘇らせるべく、地の動脈である龍脈にエネルギーを注ぎ込む為のエネルギー製造も兼ねた施設「仙窟」を地底に造ります。地下施設で順調にエネルギーを作れればよいのですが、大抵は色々と妨害が入ります。それは固有のイベント(条件)であったり、プレーヤーの「敵」であったり、といった具合です。そういったものを全て解決し、大地復活の為の必要量分のエネルギーをきちんと作って集め、龍脈に注ぎ込めばクリアです。


▽ここから以下少しネタばれです。

ここまでが大雑把に言った概要ですので勿論これだけな訳が有りません。お話は一本筋ではないのです。

一番最初、仙窟の作り方や運営方法などをレクチャーシナリオにて実際に操作しつつ学びます。(これがまた大変分かり易いのですよ。)レクチャーシナリオが終了したら本編にいきます。本編を少しばかり進めていくうちに、主人公はしゃべる大きな龍と出会い戦います。龍に敗れた主人公はばらばらにされた精神(体も?)を「平行世界」に封じられてしまいます。無限に広がる平行世界に主人公の精神は散り散りになるのです。こうしてプレーヤーは、主人公が封じられた並行世界の数だけプレイするステージ(シナリオ)が出現するのが分かるようになります。

そしてそして、一つ一つのシナリオは独立していて、Aが終ったから次はこれに続くBに自動的に進む、という事にはなりません。一つのシナリオが終れば終了。エンドロールが流れ、最初のセーブ画面に戻ります。
「何これ、もう終り?」と思わないで下さい。セーブデータの端に有るパーセンテージにご注目。変化しているはずです。この%表示はシナリオクリアの数値で、シナリオをクリアするほど増えていきます。あるシナリオをクリアしないと現れないシナリオもあります。シナリオを選択しどんどんクリアしていく事で平行世界とは何なのか、主人公が出会った龍との因縁は、という全シナリオをひっくるめた大きなストーリーの流れが見えていくようになるのです。

△ネタばれ終了。


また、一つのシナリオにつき唯一つの結果が用意されているわけではありません。沢山あるんです。ですから、一シナリオにつき幾つか用意される結末があり、それらを全てクリアしていくことになります。
クリアしたシナリオ説明画面の上に出る金のコケシみたいのが、そのシナリオを全て終了したことを表します。サターン版ではクリア表示はそのシナリオに関連するキャラクターが上でチマチマ蠢き(これが可愛いのなんのって!)、シナリオ終了はパンダがモコモコしています。

長くなりました、以上がシナリオシステムについてです。
『カオスシード』の面白さはシナリオシステムもさる事ながら、何よりも、仙窟を「どう造るか」にあります。というのも、仙窟とはそれぞれ役割を持った幾つもの四角形の部屋をプレーヤー自身が造り、通路で繋げたものだからです。構成は本当に無限です。

主人公が造る仙窟はエネルギー製造兼エネルギー送り込み施設なわけですから、エネルギー(電力みたいなものです。龍脈に注ぐのと同じもの。)を作り出す役割を担う部屋があり、部屋が電力不足に陥らないように各部屋に回すエネルギーを運搬したり、痛んだ部屋を修繕したりする専門職員(仙獣)などが必要になります。

職員の契約料(仙丹)や設備をバージョンアップさせるのに必要な経費(仙丹)を作り出す「仙丹部屋」、より高い能力の仙獣を呼び出すには「召還部屋」をハイテク化(強化)させる必要があり、強化した部屋は矢鱈とエネルギーを消費するので、部屋の自家発電で足りない分をエネルギー製造室の「生産部屋」から仙獣に運搬してもらわなくてはいけません。

しかしエネルギーを各部屋に振り分けていると肝心の龍脈に注ぐ分が無くなってしまいます。もっと沢山生産部屋を造ればよいのですが、造ろうにも何せ土の中、良さそうなところには硬くてほれない岩盤があり、取り除くには龍脈をいくらか活性化ないと無理。無け無しのエネルギーを注ぎ込んで何とか岩盤を無くし、いざ部屋をという段になって、部屋を造る手持ちのエネルギーが「足りません」。

・・・バランスが大切です。とても。だから嵌ってしまうんです。

上手くやろうとすると大変ですが、何度か進めて、少し余裕が出てきたら各部屋の属性(木火土金水)や通路の繋げ方などを色々考えて。風水奥義(部屋に与えられるバージョンアップのボーナス)の凄いのを無駄なく効率的に色々付けたり出来た日には、感激ですよ。




サターン版

『仙窟活龍大戦 カオスシード』
制作・販売:ネバーランドカンパニー SEGA セガ・サターン用ソフト

SFC版『風水回廊記』にシナリオやキャラクターをプラスして新しく出した『仙窟活龍大戦』です。1998年1月に発売。同年12月にサタコレ版も出ました。システム、シナリオに大幅な変更はありませんが(設定資料などは大いに違っています)、主人公の必殺技がボタン一つで出せるようになっています。
難易度は少し下がっています。昔は中途なレベルでは術一つで王蒼幻にやられていたものですが。
それから「倉庫部屋」。SFC版では異次元倉庫は風水強化メニューでわざわざ追加するシステムだったんですよね。
セーブが楽チンになり、一つのセーブで違うエンディングクリアをしてもちゃんと達成率に加算されます。「謎窟」(これがまた難しいったら!)のコーナーも追加されていて色々盛り沢山になってます。
サタコレ版も入手しやすくて良いとは思いますが、是非とも初回版をお勧めしたい。力の入ったおまけがついていますよ。でも、ファンになったら全て揃えましょ。




関連書籍等

『カオスシード―風水回廊記 スーパーファミコン必勝法スペシャル』
出版:勁文社 税抜価格:854円 発行:1995年5月
SFC版カオスシードの攻略本です。キャラクター紹介をはじめ、シナリオ解説、アイテムや仙獣・敵キャラクターのデータがリストっぽく載っています。全ての風水奥義も記載されれていますが、これは少し探しにくいです。とてもお世話になった本。


『100パーセント遊ぶカオスシード 風水回廊記―マルチエンディングパーフェクト解析!!』
出版:芸文社 税込価格:816円 1996年03月
SFC版カオスシードの攻略本です。


『仙窟活龍大戦カオスシード攻略虎の巻 覇王ゲームスペシャル 105』
出版:講談社 税込価格:998円 発行:1998年1月
SS版カオスシードの攻略本です。


『カオスシード設定資料集 点心爛漫』
編集:ドリームキャストマガジン編集部 、アミューズメント書籍編集部 出版:ソフトバンククリエイティブ
税込価格:3,990円 発行:1999年12月
SFC版とSS版共通の設定資料画集。表紙はマットな手触り。カオスシード関係で使用されたもろもろ全てのイラストやら漫画やらが沢山載っています。見応え有ります。


『カオスシード サウンドトラック GAME SOUND LEGEND SERIES』
レーベル:ハピネット
税込価格:3,990円 発売:2006年10月25日 CD:3枚組 SCDC-00522〜00524
SFC版とSS版の曲がみっしり入っています。一般的な西洋風ファンタジーRPGに使われているような、バロックからロマン派風の曲調では全くない、中華なカオス独特のサントラ集です。惜しむらくは、解説書に王がいないこと。何故。





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